まず初めに言っておこう。この映画はタイトルでかなり損をしている。
私が昔から常々思っている事、「邦題の付け方・・・ダサすぎないか？笑」
この邦題のおかげで損をしている映画が多数ある。この映画もその1つだ。
現に、モーガン・フリーマンが出ていなければ私も観ていなかったかもしれない。
なので、タイトルを見てスルーした人や視聴するのを躊躇っている人は、
騙されたと思って是非とも観て欲しい。心に響く、心に残る映画の1つになるだろう。
年齢を重ねている方なら尚更、刺さる内容になっている。
失礼な言い方だが、老いぼれ3人がどう変わっていくのかラストシーンを楽しみに観てほしい。
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目次
「ジーサンズ はじめての強盗」キャスト・スタッフ紹介
- 製作国 アメリカ合衆国
- 配給 ワーナー・ブラザーズ
- 監督 ザック・ブラフ
- 脚本 セオドア・メルフィ
- 公開年 🇺🇸 2017年4月7日 🇯🇵 2017年6月24日
- 上映時間 96分
- 出演者
- ウィリー・デイビス（モーガン・フリーマン）
- ジョー・ハーディング（マイケル・ケイン）
- アルバート・ガーナー（アラン・アーキン）
- ブルックリン・ハーディング（ジョーイ・キング）
- アーレン・ヘイマー（マット・ディロン）
- アニー・サントーリ（アン＝マーグレット）
- ミルトン・カプチャク（クリストファー・ロイド）
- キース・ショーンフェルド店長（キーナン・トンプソン）
- ミッツィ（シオバン・ファロン）
- ヘスース（ジョン・オーティス）
- マーフィー（ピーター・セラフィノウィッツ）
- モーガン・フリーマン
世界的に有名な俳優の1人であり、『ミリオンダラー・ベイビー』でアカデミー賞助演男優賞を
受賞。『ショーシャンクの空に』や様々な作品で高い評価を得ている。
商業的にも成功を収める映画に多数出演し、出演作品のチケット販売は累計40億ドル以上。
世界中で高収益を上げた俳優の中で歴代2位にランクインしている。
- マイケル・ケイン
60年以上にわたり映画界で活躍し続けるレジェンド。
『ハンナとその姉妹』『サイダーハウス・ルール』で2度のアカデミー賞受賞。
『ダークナイト』シリーズの執事、アレフレッド役や『キングスマン』のアーサー役で知られる俳優。
- アラン・アーキン
長年にわたり、舞台と銀幕の両分野で活躍するアーティストのひとり。
『リトル・ミス・サンシャイン』でおじいちゃん役が大絶賛され、アカデミー賞、
英国アカデミー賞を受賞。近作ではTVシリーズにも多数出演している。
Melody of Movieの評価
77点
休日に観るのに相応しい、とても楽しい映画です！俳優陣が豪華で見応えもあります。
惜しかったポイントとしては、コメディとシリアスが中途半端な感じになってしまっていたので、どちらかというと有り得ない設定になっていると思うので、コメディ要素に振り切っても良かったのではないかなと感じました。
■各レビューサイト参考
映画.com：3.5
Yahoo!映画：3.75
Filmarks：3.7
みんなのシネマレビュー:2.45
※みんなのシネマレビューは10段階→5段階評価に換算しています
「ジーサンズ はじめての強盗」あらすじ
平均年齢80歳以上の名俳優「モーガン・フリーマン」「マイケル・ケイン」
「アラン・アーキン」の3人が演じる老人3人組の物語。
端的に言うと犯罪コメディーだ。
平穏な老後生活を送っていた3人の老人の生活が、約40年勤めていた
会社の合併によって大きく変わってしまう。
突然、年金の打ち切りを告げられ、会社から見放され、銀行からも冷たく
あしらわれてしまった彼らは、以前の生活を取り戻す為にまさかの決断をする。
その決断とは、ある日、ジョー（マイケル・ケイン）が銀行へ交渉に行った際に、
銀行強盗に遭遇した。鮮やかに、華麗に、あっという間に1.7億円を奪っていった
銀行強盗にインスパイアされ、自分たちの財産を巻き上げた銀行に強盗として
押し入る事だった。これが本作のあらすじである。
「ジーサンズ はじめての強盗」見どころ
やはり最大の見どころは3人のアカデミー賞俳優たちの夢の共演だ。
コメディーだからといって、大袈裟な演技をするわけでもなく、何気ない会話の
キャッチボール、無言の時間の空気感や表情で3人の関係性を構築している。
さすが名俳優達である。監督のザック・ブラフが3人の名俳優を、
コメディー映画ならではのコミカルさで演出しつつも、リスペクトしているのが
しっかりと伝わってくるので、全てのシーンが心地よい。
「ジーサンズ はじめての強盗」主要登場人物紹介
- ウィリー・デイビス / モーガン・フリーマン
40年間勤め上げた会社から年金の打ち切りを告げられてしまい、
ジョーのアイデア「銀行強盗計画」に参加することになる。
かわいい孫娘とのビデオ通話と、公園でのローンボーリングが幸せなひととき。
腎臓に疾患があり、透析を受けているが医者から移植を勧められている。
- ジョー・ハーディング / マイケル・ケイン
年金を打ち切られた上に、銀行の理不尽な融資システムによって
住宅ローンが一夜にして3倍になり、家を差し押さえられる危機に。
それを機に銀行強盗を計画する。ウィリー同様、愛する孫娘がいる。
- アルバート・ガーナー / アラン・アーキン
サックスが趣味の絶倫じーさん。銀行強盗の計画に乗り気ではなかったが、
結果、参加することになる。行きつけのスーパーのパートの女性から熱烈な
アプローチを受け、戸惑いながらも・・・ついに“決行”の日がやってくる・・・
「ジーサンズ はじめての強盗」ストーリー・感想
これは、まさに「This is ハリウッド映画」な作品だと思う。
笑いあり、感動あり、ハラハラドキドキのシーンもあり、緊張と緩和で
グイグイと作品の世界へ引き込まれ、1時間半があっという間に過ぎてしまった。
いきなり冒頭からジョーが銀行で強盗に遭遇するシーンなのだが、ここから既に緊張と緩和が
凝縮されている。前菜から楽しませてくれる行きつけのイタリアンの様だ。
強盗たちが銀行にいた時間はわずか数分間で、誰も傷つけることもなく、
犯罪とはいえ、ほれぼれするほど華麗な手口で大金を持ち去った。
ジョーの担当をしていた嫌な銀行員と強盗のやり取りも、観ている者全員に
「ざまぁ」と言わせる憎い演出もあり、財布を差し出したジョーに対して、
「年寄りを敬うのは社会の義務だ」と言って、老人を敬う強盗が犯罪者なのに
かっこ良くみえてしまう（笑）
ジョーは離婚して戻ってきた娘と孫と同居している家が、差し押さえで
取り上げられそうになり大ピンチ。ウィリーは年金を打ち切られ、
腎臓の疾患で透析を受けているが移植を勧められた。
だがウィリーの年齢と保険の問題でドナー紹介の優先順位は低いと告げられる。
上記のように、ジョーとウィリーは銀行強盗に乗り気な動機はあるが、
アルバート（通称アル）は年金の打ち切り以外に特に問題はない。
当然、最初にジョーが強盗の計画を持ちかけた際に断っている。どうやってアルを
口説くのかも1つの見どころだ。
乗り気の2人は、アルに内緒で強盗の予行演習・・・というか腕試しにスーパーで万引きを
するのだが、これがまた面白くてお気に入りのシーンの1つだ。
セリフがほとんどない警備員2名もしっかりとキャラがたっており、スーパーの店長も
かなりいい味を出している。
そしてそのスーパーでパートをしているアニー。アルに好意を持っていて猛烈にアタックしている。
この方も米アカデミー賞に2度ノミネートされ、ゴールデングローブ賞は5回受賞しているほどの
名女優さん。主役の御三方同様、けっこうなお歳だと思うんだけど・・・すごい色気があって
魅力的な女性だ。歌手活動もされていたようで、劇中で少しだけではあるがアルとのデュエットで
歌声を披露している。
銀行強盗どころか、万引きなどという大それたことを考えたことすらない善良な市民の3人では
上手くいくはずもなく、予行演習は散々だったのは当然の結果だ。そこで、盗みのノウハウを教えて
くれるコーチを探すことにするのだが、上記のように善良な市民にワルの知人などおらず、
マリファナ店を営むジョーの元娘婿（マーフィー）を尋ねる。そもそもブルックリンってマリファナは
合法なのだろうか？街中に堂々と店を構えているし（笑）
因みにこの元娘婿の俳優さん、「ピーター・セラフィノウィッツ」という方なのだが、
「ショーン・オブ・ザ・デッド」という有名なゾンビ映画のピート役の方だったと知り驚いた。
なぜ驚いたかというと、知っている方もいるかもしれないが、ピート役の時はめちゃくちゃ太っていて
身長も190センチほどあるからすごい巨漢だった。これほど違っていれば気付かないのも当然だろう。
さて、正式にアルが計画に加わり、マーフィーに紹介してもらったヘスース（通称ジーザス）という
動物保護施設の運営と泥棒、2つの顔をもつ男に会う。手土産はマーフィーの店で売っている上質な
マリファナだ。ここでの見どころは、最初3人は警察じゃないかと疑われてしまい、ジーザスが
吸っているマリファナを吸わされた時のお互いの表情がなんとも言えない。細かい箇所だが、
最初の見どころで述べた「無言の時間の空気感や表情」がまさにこれである。
是非このシーンにも注目してほしい。
3人が所属する老人クラブにいる仲間の1人（ミルトン）を、あの「クリストファー・ロイド」が
演じている。ちょい役で、少しボケかけた老人役だが見事に演じきっている。
それにしても30年以上前の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」からあまり容姿が変わってない
というのはどういう事だ（笑）
チョイ役といえば、ナッツダイナーのウエイトレスの女性（ミッツィ）も忘れてはならない。
金銭的に余裕がなくなり、デザートのパイを諦めた3人に「帰れ」と悪態をつきながらも、
しれっとパイをサービスする粋な演出。こういう演出が、観ている人の脳裏にキャラを焼き付ける
部分になっているんだろうなと感心させられる。
映画の中盤からは約20日間の準備期間が始まる。銀行の内部で、防犯カメラの位置や警備員の人数、
従業員などを調査。銃は使わないに越したことはないが、一応撃ち方を学ぶのだがここでまたクスッと
させてくれる演出が憎い。アリバイ作りも必要だ。BGMにのってダイジェストのように時間が
経過していく。この辺りはさながらスパイ映画のようでワクワクしてしまう。
という感じで、ついに運命の“決行”の日がやって来るわけだが、この先の展開、結末は是非自分の目で
確かめてほしい。スーパーマーケットの店長、女性警備員＆男性警備員、強盗のコーチ、元娘婿と娘、
アルのガールフレンド、コーヒーショップのウエイトレス、老人クラブの仲間、ウィリーの孫娘、
サックスからダンスに転向し、ラストでビヨンセばり？のダンスを披露してくれる肥満児、
ＦＢＩ捜査官などなど、どの俳優もその演出もキャスティングも、すべてが素晴らしい。
そして、全編を通して流れる上質なBGMにも耳を傾けてほしい。コメディーだからと言って過度な
演出をしているわけでもないのに、声をあげて笑ったのも1度や2度ではなかった。
老後の心配、住宅ローン、病気や引退後の第二の人生など、誰もが共感する社会問題を描きつつ、
愛する家族と大切な仲間への愛を描いた感動のヒューマンドラマに、元気と勇気をもらえる事
間違いなし。この映画に出会えたことに感謝。
「ジーサンズ はじめての強盗」著名人の絶賛の声
公式サイトに著名人からのコメントが寄せられていたので、いくつか抜粋してみた。
年金消失、ローンの苦しみ、追い詰められた老人の、負けじ魂みせてやる！
まだまだ恋はできるんじゃ！強盗くらいできるんじゃ！
いくつになってもカッコよく行こうぜ！俺たちは。 浜村淳（映画評論家）
銀行強盗をする３人のジーサンズが、皆お金に困っているように観えないのが嬉しい。
モーガン、マイケル、アランの演技が豪華すぎて溜息が出てしまう。
ハラハラ、ドキドキのストーリー展開が楽しい！ ピーコ（ファッション評論家）
ジーサンズ最高！自分の道を切り開いていく強い意志と誰に対しても優しい心を持つ
ジーサンを応援したくなること間違いなし！
おじいちゃん映画好きとしては、3人合わせて300点満点。
今年一番ハッピーにさせてくれるクライムコメディ・ムービーだ Filmarks
わたしのマイケル・ケインさまを“ジーサン”とは何事だ！と、カッカしながら観にいったが
笑って泣いた。 アラン･アーキン、マイケル・ケインさま、80代で、あの艶っぽさ。
モーガン・フリーマンもクリストファー・ロイドもステキ！みんな、うちの父（永六輔）と
同年代なのに、こんなにも溌剌、かくしゃくとしている。 永千絵（映画エッセイスト）
ストーリー序盤で流れるソニー・ロリンズが7年前に公演のため来日した時、彼は
80歳だったがサックスを吹くその姿も演奏内容も現役そのものだった。
この「ジーサン」達もまた然り。例え年老いても、誰もが人生の青春を謳歌することができるんだ
ということを、彼らは痛快に教えてくれる。 Akiko（ジャズ・シンガー）
最後にもう一度言わせてもらおう。邦題に騙されずに、是非観てほしい作品だ！
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