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名作なのは間違いがない
名作と呼ばれる作品は時を経ても色褪せず、いつまでも名作として語り継がれる。この映画も間違いなくその「名作」の1つだと断言できる作品だ。公開当時は、ストーリーやvの名演技を中心に、批評家たちから高い評価を得ていたにもかかわらず興行的には失敗だったらしい。一説では「フォレスト・ガンプ」や「パルプ・フィクション」などの強敵が存在していたことと、ヒロインをはじめ、女性がほとんど出演していない、タイトルがわかりにくいといった、多くの要因が重なったことが不振の理由として挙げられた。しかし…上記の競合作品のタイトルも大概わかりにくいと思うのだが…(笑)それはさておき、その後はアカデミー賞で7部門にノミネートされ、劇場再公開や海外収益で、結果的に大成功に至った。そして数十年経った現在でも定期的にテレビ放映されたり、様々なアンケートで好きな映画の一つとして挙げられるなど、根強い人気を誇っている。もちろん、私も好きな映画ベスト10に入っている作品だ。
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キャスト・スタッフ紹介
- 製作国 アメリカ合衆国
- 配給 コロンビア ピクチャーズ / ワーナー・ブラザース
- 監督 フランク・ダラボン
- 脚本 フランク・ダラボン
- 原作 スティーヴン・キング『刑務所のリタ・ヘイワース』
- 公開年 🇺🇸 1994年9月10日 🇯🇵 1995年6月3日
- 上映時間 142分
- 出演者
- アンドリュー・デュフレーン(ティム・ロビンス)
- エリス・ボイド・レディング(モーガン・フリーマン)
- サミュエル・ノートン(ボブ・ガントン)
- ヘイウッド(ウィリアム・サドラー)
- バイロン・ハドリー(クランシー・ブラウン)
- トミー・ウィリアムズ(ギル・ベローズ)
- ブルックス・ヘイトレン(ジェームズ・ホイットモア)
- ボグズ・ダイアモンド(マーク・ロルストン)
- ティム・ロビンス
名門カリフォルニア大学ロサンゼルス校で演劇を学び、劇団「アクターズ・ギャング」を結成。
1984年映画「トイ・ソルジャー」でデビューし、後にケビン・コスナー、スーザン・サランドン
主演の映画「さよならゲーム」で注目を集める。2003年にはクリント・イーストウッド監督の
「ミスティック・リバー」でアカデミー助演男優賞を受賞した。「さよならゲーム」で共演した
スーザン・サランドンと結婚し、ハリウッドきってのおしどり夫婦として知られていたが、
2009年に破局した。
- モーガン・フリーマン
世界的に有名な俳優の1人であり、『ミリオンダラー・ベイビー』でアカデミー賞助演男優賞を
受賞。『ショーシャンクの空に』や様々な作品で高い評価を得ている。
商業的にも成功を収める映画に多数出演し、出演作品のチケット販売は累計40億ドル以上。
世界中で高収益を上げた俳優の中で歴代2位にランクインしている。
- ボブ・ガントン
1965年から舞台で活躍し、1980年に「How I Got That Story」でオビー賞を受賞。
「エビータ」ではトニー賞にノミネートされた。1981年に銀幕デビュー。
その後、映画やドラマに多数出演している。
1969年~1971年の間、ベトナム戦争に従軍し、青銅星章を授与された元軍人でもある。
- ウィリアム・サドラー
幼少期は音楽にハマっていたが、高校生になって演技に目覚める。ニューヨーク州立大学の
ジェネセオ校、奨学金を得てコーネル大学で演劇を学び、卒業後に舞台俳優になる。
多数の舞台、映画、テレビに出演し、「ダイ・ハード2」のスチュアート大佐をはじめ、
悪役を演じることが多い。
- クランシー・ブラウン
学生時代は円盤投げやフットボール選手として活躍。シカゴの劇場で演技の経験を積んだ後
ショーン・ペン主演の「バッド・ボーイズ」で銀幕デビュー。多数の映画で悪役を演じて
注目を浴び、特徴のある太い声が気に入られ、アニメ版「スーパーマン」や「スポンジ・ボブ」
をはじめ多くのアニメやゲームに声優としても参加している。
- ジェームズ・ホイットモア
1948年にブロードウェイの舞台「コマンド・ディシジョン」でトニー賞を受賞。
1949年「戦場」でゴールデングローブ賞 助演男優賞を受賞。
1975年に映画「Give‘em Hell, Harry!」で、ハリー・S・トルーマン大統領を演じて
アカデミー主演男優賞とゴールデングローブ賞 主演男優賞にノミネートされた。
映画やテレビドラマでいぶし銀として活躍し、2009年肺がんのため87歳で死去。
- ギル・ベローズ
本作に出演し批評家たちの注目を集め、その後TVドラマや映画に多数出演。
ドラマ「アリー・mylove」のビリー・トーマス役で有名になった。
脇役でも存在感を残すことができる名俳優として知られる。
Melody of Movieの評価
97点
■各レビューサイト参考
映画.com:4.4
Yahoo!映画:4.52
Filmarks:4.3
みんなのシネマレビュー:4.34
※みんなのシネマレビューは10段階→5段階評価に換算しています
あらすじ紹介
若くして銀行の副頭取を務める優秀な銀行員アンディー(ティム・ロビンス)は、妻とその不倫相手であったプロゴルファーを射殺した罪に問われる。無実を訴えたが終身刑の判決が下り、ショーシャンク刑務所での服役が決定。アンディーはしばらく孤立していたが、ある日「調達屋」と呼ばれるレッド(モーガン・フリーマン)に声をかけ、鉱物採集の趣味のため小さなロックハンマーを注文する。それをきっかけにアンディーとレッドは交友を深め、他の受刑者達とも打ち解けていく。
しかし、刑務所ものにはお約束の、男の尻を狙う一味がいるのだが、不運にもアンディーがそのボグズ一味にロックオンされてしまう。当然アンディーは必死に抵抗し、最後の砦をなんとか守ってはいるがその度に暴行され、抵抗のため常に生傷の絶えない辛い生活が続く事になる。
そんな日常が2年程続いたある日、刑務所の屋根の修理要員に選ばれた。補修作業中にハドリー刑務官の遺産相続の問題を耳にし、元銀行員の経験と知識を生かして問題を解決した。それを機に刑務官たちに一目置かれる存在となったアンディーは、ノートン所長にも見込まれ会計係を任されることになるのだが、所長の真の目的は、不正な取引によって得た賄賂や蓄財をアンディーに隠蔽させることだった。とにかく、洗濯係などの汚れ仕事から解放され、平穏な日々を手に入れたアンディーだったが、トミーという青年が入所してきたことによって物語は急展開を迎える。「必死に生きるか」「必死に死ぬか」アンディーの出した答えは?
見どころ
元エリート銀行員のアンディーが劣悪な刑務所に投獄され、囚人のレッドと友情を育みながらどのように刑務所内で地位を築いていくのか。アンディーは本当に妻とその愛人のプロゴルファーを殺したのか?レッドが長年に渡って申請している仮釈放の申請は許可されるのだろうか? 映画を見る前に原作を読んでいる方は、ダラボン監督が巨匠スティーブン・キング氏の原作をどのように脚色して、後世に伝わるほどの名作に作り上げたのか。・・・などなど、見どころは盛りだくさんである。
「ショーシャンクの空に」主要登場人物紹介
- アンドリュー・デュフレーン / ティム・ロビンス
通称アンディ。若くして大手銀行の副頭取というエリートだったが、妻とその愛人の
プロゴルファーを銃殺した罪で終身刑を言い渡され、ショーシャンク刑務所に収監される。
投獄後も心の豊かさと希望を失わずにあらゆる苦難に立ち向かう。
- エリス・ボイド・レディング / モーガン・フリーマン
通称レッド。アンディが入所した時点で既に20年服役している受刑者。アンディ同様、
殺人の罪で終身刑。刑務所内では調達屋をしており、囚人達から絶大な信頼を得ている。
因みに、なぜレッドと呼ばれているのかと言うと、元々原作のレッドは実際に赤毛の多い
アイルランド系移民の白人である点と、姓「レディング(Redding)」に因んだあだ名から
そう呼ばれている。劇中でアンディに「なぜあだ名がレッドなんだ?」と聞かれて
「アイルランド系だからさ」と答えるのは、映画ではモーガン・フリーマン扮する黒人で
あるということから、原作を踏まえたジョークになっているらしい。
- サミュエル・ノートン / ボブ・ガントン
ショーシャンク刑務所長。規律と聖書を重んじる厳格な所長。
ハドリー刑務官をはじめとする部下たちには、囚人への暴力も許容している。
好きな聖書の一節は「わたしは世の光です。わたしに従う者は決してやみの中を歩むことがなく、
いのちの光を持つのです。」(ヨハネ伝8章12節)
- ヘイウッド / ウィリアム・サドラー
ショーシャンク刑務所の囚人でレッドたちの仲間。明るい性格ではあるが少し無神経な
ところがあり、仮釈放が決まった仲間の心情を考えずに声をかけ殺されかける。
カントリー音楽のハンク・ウィリアムスが好き。
- バイロン・ハドリー / クランシー・ブラウン
ショーシャンク刑務所の刑務主任。囚人たちから「鬼主任」と恐れられている。
ノートン所長の忠実な犬。限度を知らない暴力で些細なことでも囚人を半殺しにしてしまう。
屋上の修理作業時もアンディを屋上から落とそうとして殺しかけた。
- トミー・ウィリアムズ / ギル・ベローズ
アンディが服役して18年目に、窃盗の罪でショーシャンク刑務所へ収監されてきた若者。
ロックンロール好きの若造だが憎めない性格で、早々に囚人たちと打ち解ける。
若いながらも愛する妻と生まれたばかりの女の子がいる一児のパパ。
- ブルックス・ヘイトレン / ジェームズ・ホイットモア
ショーシャンク刑務所に50年以上服役している老受刑者。長年図書係をしており、
ひな鳥の頃から育てているカラスのジェイクが相棒。何の罪で服役しているのかは不明。
- ボグズ・ダイアモンド / マーク・ロルストン
ショーシャンク刑務所の囚人。囚人の中でも更にクズな一味の頭役。
そして刑務所ものではお約束の新人レイパーで、2年にわたりアンディへ暴行を繰り返す。
感想とこぼれ話
この映画のテーマは「希望」だ。どんな状況下でも、希望を持ち続けていれば必ず報われる。希望を持つことの大切さを教えてくれる素晴らしい映画だと思う。イジメや誹謗中傷に関する事件を目にする機会が多い昨今、その対象になって苦しんでいる方にも是非観ていただきたい、まごうことなき名作だ。
冒頭、妻と愛人の逢瀬を車の中から酒と拳銃片手に眺めるアンディ。あの時点で既に妻から離婚を迫られていたんですね。2人を殺そうと思ったのか、それとも自殺しようとしたのか、はたまた別れろと脅そうとしていたのか。酔っているアンディ本人も覚えていない。何にせよ、その場にいたのは事実。そこへ行ってしまったが故に、殺人の容疑をかけられてしまう。
妻に離婚を切り出された直後に、妻と愛人が殺害されたら真っ先に疑われるのは明白。頭のいいアンディがそんな事も考えずに行動してしまったのは、それだけ妻を愛していた証なのか。無実を主張するが、アリバイもなく証人もいないアンディは終身刑を言い渡され、ショーシャンク刑務所に収監される。
レッド(モーガン・フリーマン)は移送されてきた囚人たちがバスから降りてきた瞬間からアンディに目を奪われる。刑務所に送られてくるような人種とは明らかに違う独特の雰囲気を持っていたからだろう。因みに、このシーンで多数の囚人が新人たちを煽って叫んでいるのだが、アンディに向かって「Fresh Fish!」と言いながら釣竿のリールを巻くジェスチャーをする囚人はなんとモーガン・フリーマンの息子さんだ。更にこの少し前のシーン(レッドが仮釈放の面談)で書類に若き日のレッドの顔写真が一瞬映るその人物も息子さんだ。俗にいうカメオ出演だ。入所から1ヶ月が経過しても周りと打ち解けず、人を避けていたアンディだったが、鉱物マニアの趣味を復活させるため調達屋のレッドにある物を依頼する。
この時、初めてまともに口をきいたとレッドが語っている。刑務所での暮らしに慣れるのに必死で、友人を作る余裕など無かったのだろう。レッドに依頼したある物とは「ロックハンマー」という地質調査用の小型のツルハシのことだ。5分に満たないこのシーン、なんと撮影に9時間も要したらしく、何テイクもキャッチボールをし続けたので腕を痛めてしまい、フリーマンは翌日の撮影に腕吊りをした状態で挑むことになった。
さて、これをきっかけにアンディとレッド、そして他の囚人たちとも交友を重ね始める。他方、入所当初からアンディの尻を狙っているボグズ一味に性行為を強要され、抵抗するたびに暴行を受け、生傷の絶えない日々が続くことになる。そんな生活が2年ほど続いたある日、工場施設の屋根の修理をする作業員に選ばれる。
選ばれるといっても、レッドがタバコで看守を買収したのだが・・・(笑)
この屋上でのシーンをお気に入りのシーンだという方も多い。そしてこの屋根の補修作業が、アンディにとっても囚人にとっても、映画を観ている視聴者にとっても大きな出来事となる。この後の展開、結末は是非自身の目で観ていただきたい。
そしてこの物語は、レッドの視点でモーガン・フリーマンのナレーションによって語られている。刑務所という暗い舞台でありながら、何故か爽やかな空気感漂うこの作品。フリーマンの心地良いナレーションがその空気感を出すのに一役買っているのだろう。現状に苦しんでいる方へ「希望は永遠の命」というアンディの言葉がどう響くのか。
絶望の中にいても、希望を捨てずに強く生きて欲しい。という私の願いもレビューに添えておこう。
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