本作はアメリカの小説家「ローレン・ワイズバーガー」の作品で、2003年に刊行された小説を映画化した作品だ。ワイズバーガー自身も主人公同様に、ファッション雑誌「ヴォーグ」の編集長アシスタントをしていた経歴があり、実体験が基となっているとされる。作中に登場する鬼編集長のモデルは、当時彼女がアシスタントをしていた編集長「アナ・ウィンター」だという噂であるがワイズバーガーはこれを否定している。しかし、ファッション界でのアナの君臨ぶりは、鬼編集長として噂されるほどなのでいたしかたないのではないだろうか・・・笑
因みに日本版劇場用のポスターは、赤いハイヒールを履いた後ろ姿の女性で、当時カリスマモデルとして女性達から圧倒的な支持を得ていた「押切もえ」だ。そしてなんと、抽選で1名にそのポスターと同じモデルの赤いハイヒール(オリジナル)がプレゼントされたそうな。しかもその靴は、あの高級ブランド「マノロブラニク」なので当選された方はさぞ嬉しかった事だろう。
目次
「プラダを着た悪魔」キャスト・スタッフ紹介
- 製作国 アメリカ合衆国
- 配給 20世紀フォックス
- 監督 デヴィッド・フランケル
- 脚本 アライン・ブロッシュ・マッケンナ
- 公開年 🇺🇸 2006年6月30日 🇯🇵 2006年11月18日
- 上映時間 110分
- 出演者
- ミランダ・プリーストリー(メリル・ストリープ)
- アンドレア・サックス(アン・ハサウェイ)
- エミリー・チャールトン(エミリー・ブラント)
- ナイジェル(スタンリー・トゥッチ)
- ネイト(エイドリアン・グレニアー)
- クリスチャン・トンプソン(サイモン・ベイカー)
- リリー(トレイシー・トムズ)
- ダグ(リッチ・ソマー)
- ジェームズ・ホルト(ダニエル・サンジャタ)
- アーヴ・ラヴィッツ(ティボー・フェルドマン)
- ジョスリン(レベッカ・メイダー)
- ジャクリーヌ・フォレ(ステファニー・ショスタク)
- メリル・ストリープ
更新不可能と言われた「キャサリン・ヘプバーン」の持つアカデミー賞ノミネート記録を23年ぶりに塗り替えた。その他数々の賞を受賞しているレジェンド女優。舞台俳優としてキャリアをスタートさせ、1976年公開の『タクシー・ドライバー』で主役を演じた「ロバート・デ・ニーロ」の演技に衝撃を受け、映画のオーディションを受け始める。1977年、フレッド・ジンネマン監督の『ジュリア』で映画デビューを果たす。同年、アントン・チェーホフ作の『桜の園』の舞台に立った彼女の演技に目を止めたデ・ニーロ氏は、『ディア・ハンター』での彼の相手役としてストリープを推挙し、翌年、彼女は第51回アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた。その後、1979年公開の『クレイマー、クレイマー』ではアカデミー助演女優賞、1982年公開の『ソフィーの選択』ではアカデミー主演女優賞を受賞した。さらに、2011年公開の『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で、アカデミー主演女優賞を受賞。アカデミー賞にノミネートされた俳優としては最多の記録を誇り、また、ゴールデングローブ賞の受賞、ノミネートされた数でも、男優・女優を通じて史上最多記録である。因みに、デ・ニーロ氏は彼女の事を最も息の合う女優だと言っている。
- アン・ハサウェイ
名前の由来はシェイクスピアの妻アン・ハサウェイからである。カトリック教で育ったため
修道女になりたかったが、15歳の時に兄がゲイだという事実を知り、兄の性的趣向を認めない
宗教には属せないと感じて修道女の道を諦めた。それをきっかけに、彼女を含めた家族全員が
カトリック教会から脱退。高校卒業後、ニューヨークの俳優養成学校に入学し、いくつかの舞台に
出演。1999年、TVシリーズ「ゲット・リアル」の主人公に抜擢され、若手を対象とした複数の
女優賞にノミネートされた。2001年公開の「プリティ・プリンセス」で銀幕デビュー。
全米で1億ドルを超える大ヒットとなり、ブレイクした。翌年にはミュージカル「Carnival!」で
ブロードウェイデビューを果たす。2004年に「プリティ・プリンセス」の続編が公開され、
これも9500万ドルの大ヒットとなる。これによって更に人気女優としての地位を築いたが、
プリンセスのイメージが定着してしまい、理想の役が得られず低迷した。その後、なんとか
アイドル女優的なイメージを払拭し、コメディエンヌとしての才能を開花させた。
2012年には「ダークナイト ライジング」でセクシー&グラマラスな女怪盗キャットウーマンを
演じ、アンにとって飛躍の年となった。「レ・ミゼラブル」ではファンティーヌを演じ、吹き替え
なしのミュージカルに挑戦し、第85回アカデミー賞助演女優賞を受賞。
そして同作で2度ノミネートしていたゴールデングローブ賞助演女優賞も受賞した。
この成功で、美貌と実力を兼ね備えたハリウッド女優としての地位を不動のものにした。
- エミリー・ブラント
イギリスの女優。10歳から吃音症の症状が気になり始め、なかなか治らずに苦しんでいた。
12歳の頃には話すことを諦めてしまうほど重傷だった。その後、「違った声で何か演じてみて」
と学校の先生に言われ、北部訛りで話したことがキッカケとなり克服。
この経験から「もっと色々な人を演じてみたい」と思い女優の道に進んだ。
2001年にジュディ・デンチ(「007」の3代目Mで有名)との共演で舞台デビュー、
2003年に「ウォリアークイーン」で銀幕デビューを果たす。
本作でハリウッドに進出し注目を集め、イギリスで放送されたテレビ映画ではゴールデングローブ
賞助演女優賞 (ミニシリーズ・テレビ映画部門)を受賞。2007年の第79回アカデミー賞では、
本作の共演者でもあるアン・ハサウェイと共にプレゼンターを務めた。
その後も様々な賞にノミネートされており、シリアスからアクションまで幅広く演じる演技力と
表現豊かな歌唱力で多くの人を魅了している。
- スタンリー・トゥッチ
高校時代から演劇クラブに参加しており、俳優の「キャンベル・スコット」氏はその当時からの
友人。姉妹のクリスティーンも俳優で、従兄弟のジョセフ・トロピアーノは脚本家。
1982年に「The Queen and the Rebels」でブロードウェイデビューし、1985年に
銀幕デビュー。1998年のテレビ映画「Winchell」でエミー賞、ゴールデン・グローブ賞の
主演男優賞を受賞。2004年、アメリカ版の『Shall We Dance?』で竹中直人の役を演じて好評を
得た。2017年、自身が監督・脚本を務めた映画「ジャコメッティ 最後の肖像」が第67回
ベルリン国際映画祭でプレミア上映された。余談だが、本作で共演した「エミリー・ブラント」の
実姉と2012年に結婚したことで二人は『共演者』から『親戚』に。
- エイドリアン・グレニアー
ニューメキシコのサンタフェで生まれたが両親は結婚していない。母親のもと、マンハッタンで
育ちバード大学で演劇を学ぶ。1997年銀幕デビュー。2001年には「ブリトニー・スピアーズ」
のミュージックビデオ『(You Drive Me) Crazy』にも出演した。
2002年、18年間音信不通だった自身の父親を探すドキュメンタリー「SHOT IN THE DARK」
で監督デビュー。同年に、製作会社「レックレス・プロダクション」を設立。
2004年にTVドラマシリーズ「アントラージュ★オレたちのハリウッド」の主人公役として
成功を収めた。また、バンド「THE HONEY BROTHERS」のドラマーとしても活動している。
- サイモン・ベイカー
オーストラリアでテレビ俳優として活躍後、アメリカの映画「L.A.コンフィデンシャル」で
銀幕デビュー。その後も様々な映画に出演し、順調にキャリアを重ねる。2001年以降、
TVドラマに主演、脇役として出演し、2008年から始まった人気TVドラマ
「THE MENTALIST メンタリストの捜査ファイル」で主役のパトリック・ジェーンを演じた。
初回放送は1560万人が視聴し、その後もシーズンを通じて高視聴率を維持。
このドラマでエミー賞、ゴールデングローブ賞、全米俳優組合賞などの主演男優賞にノミネート
され、米TVガイド誌の『最もセクシーな男』に選ばれるなど、大ブレイクを果たした。
因みに、2007年に日産自動車エルグランドの日本のCMに出演している。
Melody of Movieの評価
88点
■各レビューサイト参考
映画.com:4.0
Yahoo!映画:4.09
Filmarks:4.1
みんなのシネマレビュー:3.34
※みんなのシネマレビューは10段階→5段階評価に換算しています
無料視聴の方法
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「プラダを着た悪魔」あらすじ
プラダを着た悪魔 予告 <20世紀フォックス 公式YouTubeチャンネル>
ノースウェスタン大学を卒業し、ジャーナリストをめざして田舎から都会のNYへ来たアンドレア(通称アンディ)。ファッションに全く関心のない彼女が、なぜか世界中のオシャレ女性たちが憧れる一流ファッション誌「ランウェイ」の編集部に就職が決まってしまった。しかもランウェイの編集長で、ファッション業界に対し絶大な影響力を誇る「ミランダ・プリーストリー」のアシスタントだ。端的に言うとミランダ編集長の秘書だ。ここだけ聞くと「いい仕事が決まって良かったね」的な感じになるが、いやいや世の中そんなに甘くはない。そこはなんと…ミランダの悪魔的にハイレベルな要求と昼夜問わず鳴り続ける携帯、そして横暴な態度。今までに何人もの犠牲者を出してきた恐怖のポストだった。ファッションに興味のないアンディだが、夢である文芸誌での仕事への足がかりとして、彼女の悪魔のような要求に耐える事を決意する。しかし、すぐにこの業界が努力とやる気だけでは闘えないことを思い知らされ、キャリアの為とはいえ、私生活は滅茶苦茶。彼氏の誕生日は大遅刻で祝えないし、友人にも愛想をつかされる始末。このままアンディは以前の犠牲者たちと同じ様に辞めてしまうのか。それとも彼氏や友人たちに囲まれ、充実していた私生活を犠牲にしてキャリアを優先するのか。アンディの出した答えは…?
「プラダを着た悪魔」見どころ
見どころは、もちろんメリル・ストリープの知的な魅力。アン・ハサウェイの可愛らしさ。
ケバいお化粧のエミリー・ブラント…(これはこれでアリ笑)と言いたいところだが、
やはり一番の見どころはガールズたちの「バイブル的な映画」と言われるだけあって、
作中に登場する眩いばかりのブランドアイテムの数々ではないだろうか。
衣装は「セックス・アンド・ザ・シティ」などでも知られる、あのパトリシア・フィールドが
担当しているというだけあって、女性なら真似したくなる着こなしが盛りだくさんだ。
シャネルのジャケットにクリスティーナ・ティのミニスカート。
お出かけにはカルバン・クラインのワンピースにケイトスペードのバッグ。
因みに、このケイトスペードのバッグは日本でも即完売したものらしい。
そして、カジュアルさを備えながらもキメたい時は、ミュウミュウの真っ白なシャツに半袖
ニットを重ね、首からはかわいいシャネルのネックレス。一方カリスマ編集長のミランダは、
格の違いを見せつけるかの様に、ヴェルサーチやエルメスを貫禄で着こなし、頭から爪先まで
全てがゴージャス。クイーンのような煌びやかさとデキる女のスマート感をクールにキメている。
パリコレのパーティーではもちろん『プラダ』のドレス。黒いプラダに身を包んだ彼女はまさに
『プラダを着た悪魔』である。観る人によって見どころは千差万別だと思うが、私自身が
「ファッション」好きというのもあり、その観点から見どころをあげさせてもらった。
「プラダを着た悪魔」主要登場人物紹介
- ミランダ・プリーストリー / メリル・ストリープ
一流ファッション雑誌「ランウェイ」のカリスマ編集長。
ファッション業界の重鎮で、彼女が気に入るかどうかによってコレクションの内容が
変わってしまうほどの影響力がある。部下には常に高いレベルを要求し、満足のいく人材は
中々いないが、アートディレクターのナイジェルには大きな信頼を寄せている。
溺愛している双子の娘は、前の夫との間に生まれた。スターバックスのコーヒーを好んでおり、
注文はいつもコーヒーの量はダブルの泡なしノンファット・ラテもしくはドリップ・コーヒー。
エルメスの白いスカーフを必ずどこかに身につけている。
- アンドレア・サックス / アン・ハサウェイ
ノースウェスタン大学卒。ジャーナリストを目指しニューヨークへやって来た。大学では
大学新聞の編集長を務め、用務員組合に関する連載記事が評価されて学生ジャーナリズム大賞を
受賞した経験がある。彼氏であるネイトと同棲中。ファッションには全く興味がなく、
「ランウェイ」に勤めはじめてからも、服装を変えようとせずに社内で嘲笑の的に。
ミランダの理不尽な要求に日々、悪戦苦闘する。
- エミリー・チャールトン / エミリー・ブラント
「ランウェイ」の編集長、ミランダの第1アシスタントを務める女性。前任が退職した為、
第2アシスタントから昇格した。ミランダのスケジュールや経費の管理などを担当している。
仕事には情熱とプライドを持っており、ファッションもメイクも完璧。ミランダに同行して
パリコレへ行くことに全てを賭けている。
- ナイジェル / スタンリー・トゥッチ
「ランウェイ」の編集長、ミランダの右腕として働くアートディレクター。ミランダから
大きな信頼を寄せられている。有能なカメラマンでもあり「ランウェイ」のアート部門に
オフィスを持っている。ミランダの側近というポジションではあるが、アンディのことも
気にかけていて、辛口ながらも的確なアドバイスで、悪戦苦闘するアンディを助けてくれる。
- ネイト / エイドリアン・グレニアー
アンディと同棲中の彼氏。ニューヨークのとあるレストランでシェフをしている。
彼が時々作る『グリルド・チーズ・サンドイッチ』はアンディのお気に入りだ。
ちょっぴり太め?で垢抜けないアンディに対しても「今のままでも君は素敵だよ」と
言ってあげる優しくて頼りがいのある男性。しかし、昼夜問わず、更に勤務中や勤務外問わず、
ミランダの様々な命令の度に電話ひとつで呼び出されるアンディに不満を募らせていく。
- クリスチャン・トンプソン / サイモン・ベイカー
著名なフリーのライターで、くりくり金髪に甘いマスクが魅力的な色男。
ジェームズ・ホルトのパーティーでアンディと出会うのだが、アンディは以前からクリスチャンの
ことを知っていて、アンディの好きな雑誌全てで執筆していたらしい。大学時代は彼のエッセイ集
を大学で紹介した。
「プラダを着た悪魔」ストーリー・感想
本作は「仕事」「恋愛」「ファッション」働く女性にとって重要な要素が散りばめられており、一世風靡した人気ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」を彷彿させる華やかなロマンティック・コメディだ。田舎から夢を描いてニューヨークへやってきたアンディ。幸か不幸か、ハイレベルな要求と指示が彼女にとって、人生のレッスンを受けているかのように思える。今の時代、パワハラだと言われてもおかしくないように思えるが果たしてそうだろうか?ミランダの発する要望と指示を「厳しい」「理不尽」と捉えているのは、「これくらいでいいかな?」という甘えが見える気がする。ナイジェルがアンディに言った事が、正にそれだ。「甘えるな。ミランダは自分の仕事をしている。君は努力をしていない。愚痴を並べているだけだ。」仕事をする上で大切な事とは何か。上へ行くにはどうすればいいか。無理なら辞めればいい。ここで頑張ると決めたのなら愚痴を言っていいないで努力する。働き始めると、理想と現実にどう折り合いをつけるのか。ファッションだけではなく、仕事に対する姿勢というものを考えさせられる作品になっている。仕事に疲れた時、人生がうまくいかない時、自分を見失いそうな時、本作を観て生きる糧にしてほしい。男女問わず、頑張って働く人たちへ贈る名作だ。
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