【鬼滅の刃】時透無一郎と炭治郎の関係性について!実は親戚?なぜ仲良しなのかも解説(ネタバレあり)

少年ジャンプで連載され、2019年にアニメ化された鬼滅の刃。その人気の秘密は、ストーリーはもちろん、主人公たちのキャラクターも人気の大きな要因の一つだと思います。敵味方問わず個性があり、様々な背景を抱える主人公たちについ感情移入してしまいます。

主人公の竈門炭治郎(かまどたんじろう)と霞柱・時透無一郎(ときとうむいちろう)。

基本的に人に対して冷たいとされる無一郎ですが、読者の間では炭治郎にはなぜか優しい?二人は親戚なの?という声が多く上がっています。

今回は、そんな二人の関係について紐解いていきたいと思います。

無一郎と炭治郎は仲が良い?

霞柱の時透無一郎はすぐ忘れてしまうという理由から、人に対して無関心で感情があまりなく、冷たい印象ですが、炭治郎にはとても優しくしているシーンがあります。

柱より下の階級の者が柱に稽古をしてもらう柱稽古。無一郎の元で柱稽古が行われた際、他の剣士には冷たく厳しい無一郎でしたが、炭治郎にはニコニコ笑顔で稽古をしています。

通常10日ほどで次の柱の所へ行く許可が下りるのですが、稽古5日目の炭治郎に「炭治郎は言ったことちゃんとできてるもん」「足腰の動きも連動しててばっちりだね。次の柱の所に行っていいよ炭治郎」と笑顔で次の柱の元へ行く許可を出してしまいます。それを見ていた他の剣士が「俺たちも」と言うのに対してはいつもの毒舌無一郎に早変わり。

しかしながらこのシーンは鬼滅の刃15巻のことです。

果たして無一郎は初めから炭治郎に優しかったのか?ストーリーを追って見ていきましょう。

無一郎は初めから炭治郎に優しかったのか?

無一郎は、初めから炭治郎に優しかった訳ではありませんでした。では二人の出会いはいつでしょうか?

炭治郎と無一郎の初対面は、那田蜘蛛山での下弦の伍・累との戦いの後、鬼殺隊本部にて行われた柱合裁判のときです。

炭治郎は鬼である妹・禰豆子を連れて戦っており、そのことが隊律違反だと咎められます。鬼である禰豆子を退治すべきだと主張する柱たちを前に、元柱であり炭治郎の育手・鱗滝左近次や冨岡義勇の口添えと、お館様と呼ばれる鬼殺隊当主・産屋敷耀哉の「禰豆子が人を襲わないという保証ができない 証明ができない ただ 人を襲うということもまた証明ができない」という発言により、柱たちも誰も反論できないかと思いました。

しかし、風柱の不死川実弥(しなずがわさねみ)が「俺が証明します」と刀を禰豆子の入っている箱に何度も差し、禰豆子を挑発します。禰豆子は、家族の顔や人は守り、助けるもの。傷つけないとの言葉を思い出し、挑発には乗らず、人間に対する欲望に耐えきりました。

これにより禰豆子が人を襲わない証明ができたとして、その存在は公式に認められました。

そして蟲柱(むしばしら)・胡蝶しのぶの蝶屋敷に行くことになったのですが、先ほど不死川実弥が禰豆子にしたことが許せない炭治郎は、柱合会議を始めようとしたお館様のことばを遮って不死川実弥に頭突きをさせて欲しいと願い出ます。

それに対し無一郎が炭治郎に石を投げつけ、お館様への尊敬の念を表し、「お館様のお話を遮ったら駄目だよ」と言ってその場を収めました。

この場面では、無一郎は感情を出してはいませんが静かな怒りを表しており、炭治郎に対して特別優しい様子は見受けられません。では、どのようにして無一郎は冒頭のシーンのように炭治郎に優しくなっていったのでしょうか?

無一郎が炭治郎に優しくなった経緯

①炭治郎の言葉

再び、無一郎と炭治郎は剣士たちの修行の場で再開し、炭治郎のまっすぐな優しさを目の当たりにする無一郎は少しずつ変わっていきます。

炭治郎と戦闘訓練用のからくり人形・縁壱零式(よりいちぜろしき)との訓練が始まります。同じ場で修行をしていた無一郎と出くわしますが、先に修行を終えた無一郎は、修行中に折れた自分の刀を処分しておいてと炭治郎に投げつけます。

炭治郎も7日間をかけてようやく一刀を入れることに成功し修行を終えますが、修行が終わった次の日の夜、寝ている炭治郎の元に無一郎が現れ、刀鍛冶の鉄穴森(かなもり)を知らないかと尋ねます。

炭治郎は、鉄穴森を探す無一郎に、鋼鐵塚と一緒にいるかもしれないから一緒に探そうと提案します。それに対し無一郎は「なんでそんなに人を構うの?君には君のやるべきことがあるんじゃないの?」と言いますが、炭治郎は「人のためにすることは結局巡り巡って自分のためにもなっているものだし 俺も行こうと思ってたからちょうどいいんだよ」と返します。

このやりとりを機に、記憶障害からすぐに忘れてしまうことが多かった無一郎の心が、炭治郎の優しさや実直さに触れたことにより変化が起きていきます。

②無一郎vs上弦の肆・上弦の伍

この戦いの中で、無一郎の心は少しずつ変化していき、言動も変化していきます。

このシーンの後、部屋の襖から突然、上限の伍・半天狗が何の気配もなく姿を現します。すぐさま戦闘態勢に入り、無一郎は霞の呼吸・肆の型移流斬り、炭治郎はヒノカミ神楽・陽火突で対戦します。一度は無一郎が鬼の首を落とすも、鬼が分裂して可楽(からく)と積怒(せきど)の2個体になってしまいます。

なかなか鬼の首を切れず、苦戦している二人の元に不死川実弥の弟で風柱・不死川玄弥(しなずがわげんや)が銃で応戦します。

ですが、半天狗は玄弥の攻撃により、高速で飛行し超音波を発する空喜(うろぎ)と体術に優れる十文字槍の使い手哀絶(あいぜつ)の4体に分裂してしまいます。

可楽の攻撃で飛ばされた無一郎が炭治郎の元に戻る途中、血鬼術で生み出された鬼と戦う小鉄を見かけます。

一度は刀鍛冶としての能力が低い小鉄は、助ける優先順位が低いと判断した無一郎でしたが、炭治郎の人のためにすることが結局巡り巡って自分のためにもなっているという言葉を思い出し、思い直します。

そして、無一郎は小鉄を鬼から守り、安堵した小鉄から、鋼鐵塚と鐵穴森も襲われているから助けて欲しいと懇願されます。

そこで無一郎は頭がズキンと痛み、記憶の断片のお館様の言葉を思い出します。

君は必ず自分を取り戻せる 無一郎

混乱しているだろうが今はとにかく生きることだけ考えなさい

生きてさえいればどうにかなる 失った記憶は必ず戻る 心配らない

きっかけを見落とさないことだ ささいな事柄が始まりとなり君の頭の中の霞を鮮やかに晴らしてくれるよ

この言葉を思い出したことで無一郎は小鉄を抱えて鋼鐵塚たちを助けに向かいます。鉄穴森たちの元に着いた無一郎は、自分の刀ができているか尋ね、刀のある場所に向かうと、そこに上限の伍・玉壺(ぎょっこ)が現れます。

玉壺の血鬼術から小鉄たちを守りながら戦う無一郎に、「つまらない命を救ってつまらない場所で命を落とす」と玉壺が罵ると、以前自分自身が誰かに言われていた「いてもいなくても変わらないようなつまらねぇ命だからよ」という言葉を思い出します。

そんな風に戦っていた無一郎は、玉壺の血鬼術にかかり身動きが取れず、絶体絶命のピンチが訪れます。その状況に諦めかけた無一郎の元に、小鉄が現れ、攻撃され負傷しながらも気持ちだけで必死に無一郎を助けようとします。

その様子を血鬼術の中から見ていた無一郎に、誰かが声をかけます。

人のためにすることは巡り巡って自分のためになる

そして人は自分ではない誰かのために信じられないような力を出せる生き物なんだよ 無一郎

記憶を辿ると、その言葉を掛けてくれたのは炭治郎と同じ紅い瞳をした無一郎の父でした。

③無一郎の過去

そして自らの技で血鬼術を破り、脱出した無一郎。そこから無一郎は忘れていた過去の記憶を取り戻します。

母は肺炎で亡くなり、母の為に薬草を採りに行った父は崖から落ちて亡くなりました。無一郎は兄の有一郎(ゆういちろう)と二人兄弟でしたが、有一郎は言葉がきつく、無一郎の無は無能の無無一郎の無は無意味の無などと冷たく当たります。

そんなある日、二人の元にお館様のお内儀のあまねが訪れてきます。二人がはじまりの呼吸の剣士・継国嚴勝の子孫だと告げられ、無一郎は剣士になって鬼に苦しめられている人々を助けようと提案しますが、有一郎からはまたきつい言葉を浴びせられてしまいます。

そんなある日、二人のところに鬼がやってきて、無一郎を庇う有一郎を鬼が襲い、「いてもいなくても変わらないようなつまらねぇ命なんだからよ」と言い放ちます。それを聞いた無一郎は、今までにないような怒りを覚え、気が付くと鬼を瀕死の状態にまでしていました。

朝日とともに鬼は塵となり、襲われた有一郎の元に戻ると、神様に無一郎だけは助かるよう祈る兄の姿がありました。いつもは無能や無意味などのひどい言葉を浴びせていた有一郎ですが、「無一郎の無は無限の無」「悪いのは俺だけです。バチを当てるなら俺だけにしてください」と祈っていました。

残念ながら有一郎はこの後命を落としますが、死ぬ間際になってやっと本音を無一郎に伝えることができました。

「お前は自分ではない誰かのために無限の力が出せる選ばれた人間なんだ

だけどな無一郎 どれだけ善良に生きていたって神様も仏様も結局守ってはくださらないから

俺がお前を守らなければと思ったんだ

優ししてやれなくてごめんな いつも俺には余裕がなかった

人に優しくできるのもやっぱり選ばれた人だけなんだよな」

辛い過去から、記憶喪失になり人に冷たく当たっていた無一郎でしたが、炭治郎の言葉をきっかけに家族との日々を思い出します。

これらの回想をしたことにより無一郎に痣が出現し、鉄穴森から受け取った新しい刀で無一郎は玉壺の体をめった斬り、鬼を倒します。

「ありがとう鉄穴森さん」と言う無一郎。人に対して無関心な無一郎が、鉄穴森の名前を呼びながら感謝を伝えている姿は、まるで今までとは別人のようでした。

記憶とともに確固たる自信を取り戻した無一郎。

「お館様の仰った通りだ確固たる自分があれば両の足を力いっぱい踏ん張れる

自分が何者なのかわかれば迷いも戸惑いも焦燥も消え失せ

振り下ろされる刀から逃れられる鬼はいない」

兄との記憶を取り戻した無一郎は、同時に自分が鬼を滅ぼす為に血反吐を吐くような努力をしてきたことを思い出します。

そこへ小鉄が現れ、自分が持っていた煉獄杏寿郎の形見のつばが身を守ってくれたことを無一郎に伝えます。

戦いが終わり倒れて意識が朦朧とする中、無一郎は煉獄杏寿郎に「柱として共に頑張ろう」と肩を叩かれた日のことを思い出し、涙します。

半天狗との戦いが終わった炭治郎に、無一郎は「ありがとう 君のお陰で大切なものを取り戻した」と伝えており、この戦いをきっかけに本来の自分を取り戻した様子が伺えます。

無一郎と炭治郎は親戚?

最後に、二人は親戚関係なのか?という疑問について解説していきます。結論から言うと、二人は親戚関係ではありません。

ではなぜ、二人が親戚関係なのかという疑問が多くあがっているのか。

それは、炭治郎がしている耳飾りが、無一郎の先祖の弟・継国縁壱が付けていたものと同じだったこと。また、無一郎は日の呼吸の剣士の子孫であり、炭治郎は日の呼吸の演舞であるヒノカミ神楽の使い手であったことから、この二人の親族関係説が流れています。

先述した通り、無一郎は、はじまりの呼吸の剣士・継国嚴勝の子孫です。その弟の継国縁壱は、圧倒的な力を持ち、かつて鬼舞辻無惨を圧倒したほどの実力です。しかし継国縁壱は後少しのところで鬼舞辻無惨に逃げられてしまい、鬼殺隊を追放されてしまいました。

ではなぜ炭治郎が継国縁壱の耳飾りを持っているのかというと、炭治郎の先祖である炭吉が継国縁壱に命を助けられた過去があったからです。

炭治郎の家系は代々炭焼きであり、家系図も残っています。しかし先祖の炭吉は、継国縁壱に救われたため交流がありました。恩を感じていた炭吉は、継国縁壱の耳飾りと日の呼吸を後世に伝えていくことを約束します。こうして竈門家には代々、耳飾りと日の呼吸の型を演舞としたヒノカミ神楽が伝承されることとなったのです。

つまり、無一郎は日の呼吸の剣士の兄の子孫であり、炭治郎は日の呼吸の剣士の友人である炭焼きの子孫でした。このことから、二人は血縁関係にないことは明白です。

今回は、無一郎が炭治郎に優しくなった理由やその過去、また二人の血縁関係説について解説していきました。記憶喪失であった無一郎が記憶を取り戻したのは、炭治郎の素直で真っ直ぐな優しさからだったんですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

2 COMMENTS

鬼滅好き

上記の理由だけでは親戚でないとはいい切れません。他の人も考察していましたが、継国嚴勝には捨てた妻子がおり、少なくとも二人の子がいました。継国兄弟は戦国時代の人たちで、父が流れ者になれば、子らは山奥でひっそり苗字を変えて暮らしても不思議はありません。
うち一人が無一郎の父につながり、うち一人が炭吉や炭十郎につながっていたと考える方が赤い目や赤い髪、炭十郎が継国兄弟と似ていることの理屈が通ります。

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ぴろ

他の方が考察していたのですが
血縁関係がないのは明白ではないです。
実際に竈門家の始まりは戦国時代からです。
その前の記載がないのです。
もしかしたら継国嚴勝の子孫の可能性があります。実際に継国嚴勝は、二人の子どもと妻を置いてでています。もし一人の子どもが時透無一郎の子孫でもう一人が竈門家であることはありえます。継国嚴勝は家も妻も捨てて鬼殺隊に入っているので子どもたちも家から追い出された可能性が高いです。実際に竈門家の祖先は家を探していたと書いてあります。そして炭治郎は鬼になった時のあざの出方が継国嚴勝( 黒死牟)と一緒です。あと先祖代々かくしゃくの子なのも偶然にしてはおかしいです。

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