2022年に第1部の連載から35周年を迎える「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ、2021年には第8部「ジョジョリオン」が最終回を迎え、第9部と思われる「JOJOLANDS(仮)」にも期待が高まっています。
本シリーズは、19世紀末から現代にかけて様々な時代を生きる「ジョースターの血統」を受け継ぐ者たちが「波紋の呼吸」や「スタンド」といった特殊な能力を駆使し、困難に立ち向かっていく物語群となっており、各部毎に主人公はもちろん、その周りの人物も全く変わってくるのも本シリーズの特徴と言えるでしょう。
そんな「ジョジョ」シリーズには、作品内外で度々ジョースターの血統を記した家系図が登場します。
中でも8部「ジョジョリオン」では、この家系図が物語の鍵を握る要素として登場していて、他の部と比べてもその存在感の高さが伺えます。今回はそんな8部「ジョジョリオン」に登場する家系図を中心に解説していきます。
本記事には、「ジョジョの奇妙な冒険シリーズ」の重大なネタバレを含みますので、ここから下を読み進める際はご注意下さい。
目次
ジョジョリオンとは?
ジョジョリオンは、2011年から2021年まで連載されていた、ジョジョシリーズにおける第8部です。
東日本大震災により被災したM県S市杜王町を舞台とし、その震災の影響によって突如として隆起した「壁の目」で発見された記憶喪失の青年「東方定助(ひがしかたじょうすけ)」が、彼を救出した「広瀬康穂(ひろせやすほ)」と共に自身の出自の謎に迫っていく物語となっていて、他の部と比較して謎解きミステリーの要素が強い作品となっています。
件の家系図については、主人公の定助の身元を引き取った「東方家」の書斎に収められていました。
定助は、自分の正体を探る上で行き着いた「吉良吉影(きらよしかげ)」という男が、東方家と何か関係があるとにらみ、それを確かめるべく家系図の書かれた「スティール・ボール・ラン・レース全記録」なる本を手にとります。
ここで、「おや?」と思う方もいるかもしれません。
そう、ここで出てくるのは「東方家」の家系図であり、「ジョースター家」のものではありません。ですが焦らないで下さい、これにはちゃんとワケがあります。
家系図について
・なぜ東方家、吉良家と繋がっている?
さて、前項にて定助が「吉良吉影」を追って「東方家」の家系図に行き当たったと話しましたが、これがどう「ジョースター家」の家系図に繋がるかと言いますと、答えは簡単、これらがすべて親戚関係になっているからです。
前項に出てきた「スティール・ボール・ラン・レース」は、前作である第7部の舞台となった、アメリカで行われたレースであり、これに出場し2位の成績を納めたのが、東方家の先祖「初代東方憲助(のりすけ)」でした。
その娘「東方理那(りな)」と7部の主人公「ジョニィ・ジョースター」が結婚し生まれたのが「ジョージ・ジョースター三世」
その子供が「ジョセフ・ジョースター」
さらにその子供が「ホリー・ジョースター」
そして「ホリー」と日本人である「吉良吉照(よしてる)」との間に生まれたのが「吉良吉影」である事を家系図は記していました。
ここで、更に「おや?」となる方がいるかもしれません。
この家系図、東方家の家系図のはずですが、何故かジョースター家の事まで記してあります。
劇中では特に触れられておらず、定助がこの家系図をみた時に同じ疑問を抱きましたが、彼は
「意味がわかった」と言いつつも、その理由を「吉良吉影」がジョースター家の子孫だからとし、結局なぜ東方家の家系図にジョースター家の事まで書かれているのかは謎のままなのでした。
考えられる可能性としては、初代東方憲助とジョニィ・ジョースターがとても深い親交を結び、その後も東方家の子孫がジョースターの家系図を書き加えていた。
もしくは現当主である4代目東方憲助は劇中で吉良吉影と接触した過去があったので、その際に彼の事を調べた結果、彼が東方家の遠縁であることがわかった為書き加えたか、といったところでしょうか?
・空条家はどこに?
ここまで「ジョジョリオン」に登場する家系図について軽く解説してきましたが、ここで更に「おや?」となるかもしれません。
ここまでジョジョを代表すると言っても過言ではないであろう第3部の主人公「空条丞太郎(くうじょうじょうたろう)」を輩出した「空条家」が出てきません。
ジョジョをあまり知らない人でも「丞太郎」の名前は知っているという方は多いと思いますが、一体空条家はどこに行ってしまったのでしょう?
実は8部におけるジョースター家の家系図には空条家はほとんど関係ありません。
ジョジョシリーズをある程度知っている方ならご存知かと思いますが、実はジョジョの世界には世界線が2つあり、6部までと7以降とで世界が別れているのです。
劇中でこそ語られていませんが、6部のラストでスタンド能力によって世界が一巡し、再構築された世界が7部以降の世界であると言われています。
もちろん、1部から6部にもジョースター家の家系図が存在する訳ですが、ではここまで触れてきた「ジョジョリオン」における家系図とどう違うのか、これから語りたいと思います。
6部までの家系図について
・7・8部との違いは?
結論から言うと、この2つの世界線におけるジョースター家の家系図は「似ているところもあるが、全く違うもの」と言えるでしょう。
先ず全体的な違いから触れると、DIOの存在、東方家のルーツ、空条家と吉良家の違いといったところが挙げられるでしょうか。
・DIOの存在
ジョジョシリーズにおける重要な存在として、ほぼ全ての物語に関わってくる「ディオ・ブランドー(DIO)」が挙げられます。
ディオは第1部でジョースター家に引き取られ、1部の主人公ジョナサンと共に育てられますが、後に石仮面の力を使い人間をやめ吸血鬼となり、人類の支配をもくろみます。
ジョナサンによって肉体を滅ぼされながらも、首から下はジョナサンの肉体を乗っ取り、沈没する船の棺桶の中で100年の眠りに付き、蘇った後にジョースター家の子孫とまた因縁を繰り広げる事になります。
このように、DIOとジョースター家は時代を越えて繋がっており、また1度はジョースター家に迎えられた事、ジョナサンの肉体を奪った事もあって1部から6部までの家系図にはしっかりとディオの名前が載っています。
そもそも、5部の主人公「ジョルノ・ジョバァーナ」の父親はDIO(ジョナサンの肉体を乗っ取った後の子供)ですから、いないと正確な家系図が作れないのですよね。
一変して7・8部ではどうでしょうか?
結論から言うと、DIOはほぼ関係ありません。
一応7部にはDIOの一巡後の姿と見られる「ディエゴ・ブランドー(Dio)」が登場し、物語終盤まで宿敵として主人公らの前に立ちはだかりますが、家系図の視点で言えばジョースター家に引き取られた訳でもなく、石仮面もないので、吸血鬼となってジョースター家の人間の肉体を奪う事もありませんでした。その為家系図には全く名前はありません。
6部までの活躍をみると、この扱いはなんだかあんまりな気もしてきますね。
・東方家のルーツ
さて、7・8部の家系図には東方家の人間が多く登場します。
4部にも東方家の人間は登場しますが、主人公の「東方仗助(じょうすけ)」とその母「東方朋子(ともこ)」さらに祖父の「東方良平(りょうへい)」の3人しか出てこず、家系図に記されるのも母の朋子までとなっています。
8部では東方家は早い段階でジョースター家と繋がっている事もあってか家系図には沢山の名前が記載されています。
先ず、当主となる「東方憲助」は初代から4代目までいますし、当代の4代目も8部の時点で孫がいるので、子供達である「常敏(じょうびん)」「常秀(じょうしゅう)」「鳩(はと)」「大弥(だいや)」そして孫の「つるぎ」までしっかりと家系図に記載があります。
しかし主人公の定助はあくまで居候なので、この家系図には載らないのですよね。
これもなんだかさみしいように感じますね。
・空条家と吉良家
家系図の大きな違いとしてもう一つ、6部までの家系図では空条家の人間が当てはまるところに、8部では吉良家の人間が記載されています。
具体的に言うと、「ホリー・ジョースター」と結ばれるのが「空条貞夫(さだお)」か「吉良吉照」かの違いですね。
空条家の方にはこの下に「空条丞太郎」が入ってくる訳ですが、吉良家ではここに「吉良吉影」の名前が入ります。
吉良吉影というのは4部のラスボスと同じ名前であり、3部の主人公丞太郎と4部のラスボス吉良吉影が同じところに居るのはなんだか奇妙な縁を感じますね。
2つの家系図の大きな違いとしてはこれくらいでしょうか。
細かい違いで言うと、「ジョナサン」とその一巡後の姿である「ジョニィ」は共に「ジョージ・ジョースター」の子供ですが、ジョナサンはジョージ一世の、ジョニィはジョージ二世の子供となっています。
また、同一人物でも生まれた年が違っていたり(例えば「ジョセフ」の場合一巡前は1920年生まれですが、一巡後は1924年生まれとなっている)、子供の数が違っていたりと細かい違いも沢山あり、総じて2つの家系図は「似ているところもあるが、全く違う」と言えるでしょう。
・ジョセフがふたり?
ところで、8部の物語には空条家は全く出て来ないのか?と言われますと、実はそうではありません。件の家系図の上では登場しませんが、物語にはしっかり空条の名を持つ人物が出てきます。
それが「空条仗世文(じょせふみ)」です。
名前を聞いてまたまた「おや?」となったかもしれませんが、彼の名前には「ジョセフ」が入っています。そう、8部の世界観にはジョセフがふたりいるのです。
実はこれにもちゃんと訳があって、8部におけるジョセフは祖母が日本人と言う事もあり、日本に住んでいた時期がありました。その時に和名として「仗世文」と書いて「ジョセフ」と読ませていたのでした。それがとある縁から空条家の人間に伝わり、それにあやかって「空条仗世文」という名前を付けるに至ったという事です。
何故家系図に関係のない「仗世文」の名前をここで出すのかというと、実は8部の主人公「定助」は「仗世文」と「吉良吉影」が混ざって生まれた存在であるからなのです。
…なんだかヤヤコシイですよね。
実は、定助が発見された「壁の目」には2つのものを埋めるとそれらが混ぜ合わさるという特徴があり、それを知った定助は、自分が「吉良吉影」と誰かが混ざって生まれた存在だと言うことを知るのですが、その誰かというのが「空条仗世文」なのです。
つまり、「東方定助」は「吉良吉影」であり「空条仗世文」でもあるという事になります。
その為、もし家系図に書くとするならば「ホリー・ジョースター」と「吉良吉照」の下に「東方定助(吉良吉影+空条仗世文)」と来るといったところでしょうか?
やっぱりヤヤコシイですね。
まあ、それを言ったら、6部までの世界にもDIOがジョナサンの肉体を乗っ取った後に日本人女性の間に生ませた子供なんてのもいるくらいですし、ジョジョの世界ではそのくらいヤヤコシイのが当然なのかもしれません。
・9部以降はどうなるの?
さて、ここまでジョジョリオンの家系図について語ってきましたが、これから先はどうなるのでしょうか?
9部についてはまだ仮のタイトルしか現状判明しておりませんので、どの時代でどこを舞台にした話になるのかは分かりませんが、8部の後の時代になるなら、先ず定助の子孫が登場し、家系図に追加されていく可能性は高そうです。
その場合、東方家の方も家系図が伸びていくかもしれませんね。
ただ、仗世文のように、ジョースターの血筋が全く関係なくとも「ジョジョ」を名乗れる人物の登場もあったので、全く関係のないところから次の「ジョジョ」が現れる可能性もなくはなさそうにも思えます。
これについては続報に期待するしかなさそうですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ジョジョを語る上で今では欠かせない要素の一つとなった「家系図」。
これだけで、ジョジョの物語の奥深さが垣間見えてくるというのがジョースター家の家系図の魅力であるとも言えるでしょう。
第9部ではどのような広がりを見せてくれるのか、今から楽しみですね。
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