映画『グッド・ウィル・ハンティング / 旅立ち』のあらすじとラストの結末について【ネタバレあり】

天才的な頭脳を持ちながらも幼少期のトラウマから逃れられない青年と、愛する妻に先立たれ、失意の中にいる精神分析医の心の交流を描いた感動のヒューマン・ドラマ。ラストの結末に関して気になっている方も多いでしょう。あらすじから一気に解説していきます。

映画「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」のストーリー解説

映画「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」のあらすじをラストまで簡単に解説しています。この先ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」のあらすじ【起】

フィールズ賞受賞者のジェラルド・ランボー(ステラン・スカルゲールド)は、マサチューセッツ工科大学数学科の教授をしている。ある日ランボー教授は、数的グラフ理論の難問を廊下の黒板へ書き出した。数学科の学生達に挑戦させるためだ。教授でさえ苦労した難問に、世界屈指の優秀な学生たちも当然悪戦苦闘する。一方、同大学で清掃員のバイトをしているウィル(マット・デイモン)は、親友であるチャッキー(ベン・アフレック)、モーガン、ビリーらとつるみ、たびたび警察沙汰の事件を起こす問題児だった。しかし彼は天才的な頭脳を持っており、特に数学に関しては異様な才能があった。ウィルはいつも通り清掃のバイトをしていた時、廊下の黒板に書かれた問題を目にする。その問題を瞬時に暗記し、自宅に帰って解き始めた。あっという間に答えを出したウィルは、翌日誰もいない隙を狙って正解を黒板に書いた。生徒に知らされ廊下の黒板に向かったランボー教授は、完璧な答えに驚き、次回の授業で正解者が名乗り出るのを生徒達と楽しみにしていたが、誰も手を上げなかった。これを無言の挑戦と受け取ったランボー教授は、教師陣が2年もかかって証明したという難問を新たに黒板へ書き出すことにした。日が変わり、教室を出たランボー教授は、黒板に向かって何かを書いている清掃員のウィルを発見し声をかけたが逃げられる。しかし、戻って黒板を見たランボー教授は驚愕する。なんと清掃員が書いていたのは、完璧な答えだったからだ。その夜、ウィルはいつものメンバーでナンパへ出かけた。狙いはハーバード大学の女だ。ハーバードの生徒御用達のバーに入るなりターゲットを見つけたチャッキーが女性に声をかける。そこへ長髪の男が割り込んできた。学のない親友のチャッキーが、皆の前でコケにされているのを見て我慢できなくなったウィルは間に割って入り、本に書いてあるだけの内容を自分の考察のように喋っている長髪野郎を一瞬で論破してしまう。それがきっかけになり、ウィルはハーバード大学に通うスカイラーの電話番号をゲットした。ランボー教授はウィルのバイト先を訪ね情報を入手し、裁判中のウィルを訪ねた。自ら弁護士と議論しているウィル、そして彼が犯した犯罪の多さに驚いたランボー教授だったが、監督付き保釈の同意を判事から得て身柄をあずかることにした。条件は週2回教授と共に研究室で勉強することと、週1回セラピーを受けることだった。セラピーだけは嫌だと拒否するウィルだったが、ムショ暮らしよりはマシだということで条件をのんだ。しかし、ランボー教授が頼み込んだ一流のセラピスト達は、ことごとくウィルに馬鹿にされ撃退されてしまう始末。教授は最後の手段として、大学時代にルーム・メイトだったショーン(ロビン・ウィリアムズ)を訪ね、なんとかウィルのセラピーを引き受けてもらうことに成功した。

映画「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」のあらすじ【承】

孤児で里親を渡り歩いてきたウィル。更には酷い虐待を受けてきた彼は、誰にも心を開こうとしない。一方ショーンは、大学講師として表面的には健全な社会生活を送っているように見えるが、最愛の妻を病気で亡くしたことで孤独に苛まれていた。ランボー教授は、境遇が似ているショーンならウィルの相手も務まると踏んだのだ。カウンセリング当日。タバコを片手にカウンセリングを受けるウィルは、部屋の中に掛かっている1枚の絵を見つける。ショーンの描いたその絵を見ながら辛辣な言葉で分析を始め、調子に乗ったウィルはショーンの奥さんを侮辱するような言葉を口走ってしまう。妻を失った傷が未だ癒えていないショーンは、ウィルの挑発に激怒し追い出してしまった。しかし、これっきりにしてもいいんだぞと言うランボー教授に、来週もう一度ウィルと会うことを約束した。2回目のカウンセリングは場所を変え、公園のベンチで話すことに。ショーンは、先日のウィルの態度を非難し、もっと自分の人生を他人に語り、人生の真実を見据えていくべきだと、淡々と、だが真摯な態度で諭す。君に興味がある。君の事が知りたい。そう言ってゆっくりとウィルの心に近づいていく。黙ってショーンの言葉を聞くウィルだったが、次のセラピーでは1時間何も喋らず沈黙を守った。しかし、次のセラピーでは我慢できなくなり語り始めたウィル。バーでナンパし、何度かデートもしているスカイラーとの微妙な関係の話だ。これ以上2人の距離を縮めると、相手の嫌な部分が見えてしまい、完璧でなくなってしまうから会うのを躊躇しているのだと。それを聞いたショーンは、亡き妻が持っていたヘンな癖のことを例に出し2人で大笑いする。そう、愛する人には完璧ではない本当の姿を見せても良いんだとウィルに教えたのだ。吹っ切れたウィルは、ハーバードの女子寮に侵入し、スカイラーを連れ出してドッグレースでのデートを楽しんだ。そこで家族のことを聞かれるウィルだったが、嘘をついて誤魔化した。

映画「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」のあらすじ【転】

徐々にではあるが心を開きつつあるウィル。ショーンも亡き妻の話が出来て幸せそうで生き生きとしているようだ。ショーンは奥さんとの出会いを優先し、レッドソックスの伝説の試合を見逃した。奥さんと共に病気と闘うため仕事も辞めた。だが後悔など一切ない。そんなことは何とも思わないくらいに奥さんを愛していたショーンの話を聞いて衝撃を受けたウィルだった。しかし、どうしてもスカイラーに自分の素性を話せない、本当の自分を見せられない。しかし、ウィルの兄弟や友人に会ってみたいスカイラーは、なんとか説得に成功し、ウィルの友人達に会うことが出来た。チャッキーはスカイラーのことを、頭が良くて気取ったハーバード女だと思っていたが、自分達と同じように下ネタ満載の話や下品な行動もできる彼女を気に入った。また、スカイラーもウィルの友人達に受け入れてもらえたことが幸せだった。一方その頃、ランボー教授の元には全米のシンクタンクや政府機関などからウィルの就職依頼が毎日のように舞い込んできていた。ウィルの天才的頭脳はアインシュタインレベルなのだから当然だろう。ランボー教授は早く彼をしかるべき機関に就職させたい。しかしショーンは真逆の意見で、ウィルにはまだ早すぎるし、将来のことは自分で決めさせるべきだという意見だった。この意見の相違で2人は対立してしまう。そんなさなか、カリフォルニアの医学校に進学を決めたスカイラーは、一緒に来てとウィルを誘うが彼はそれを拒否。カリフォルニアまで行って自分に飽きたら?イヤになったら?誘った手前追い返せず、仕方なく一緒に暮らすのか?一気に不安が噴き出し、ウィルは混乱した。スラムで育ち、そこから一歩も出たことがない。家族もいない。誰にも愛されず里親に虐待され、酷い暴力を受けて育ったことで、人から愛されなくなるのが不安だったのだ。

映画「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」の結末・ラスト

ウィルはフィールズ賞受賞者でさえ手こずる難問をあっさり解いてしまう。逆にこんな簡単な問題も解けないランボー教授に苛立ちが募っていた。更にスカイラーとの件もあり、不満が爆発したウィルはランボー教授と口論の末、回答した紙に火をつけ燃やしてしまう。

慌てて火を消した教授がそっと口を開く「君と会っていなければ、毎晩安眠できただろう」「絶えず君を脅威に感じることもなかっただろう」実はウィルに出会ってしまったことで、教授も大きな不安や苦悩を抱えていた。そしてショーンとのセラピーでも口論になるウィル。「君は自分が傷つくことを恐れ、先に進もうとしない」「君は好きな道を選べるんだ」「何がしたい?何に情熱を?」いつもああ言えばこう言うウィルだが、単純な質問には答えることができない。答えを知らないのだ。ショーンとウィルは喧嘩別れのような形でセラピーを終えた。

やがてスカイラーはカルフォルニアへと旅立った。飛行機搭乗前、スカイラーはウィルが来ないかを期待して何度も振り返ったが、結局ウィルは現れなかった。チャッキーと解体の仕事をしていたウィル。大学での教授との勉強も投げ出し、セラピーも投げ出したウィルはチャッキーに言った。このままこうやって肉体労働をして人生を終えてもいいと。しかしチャッキーは厳しい口調でウィルに言った。お前は俺たちとは違う。誰もが欲しがる「才能」という宝くじを持っているのに、それを無駄にするな。もし50年後も俺と一緒にここにいたらお前を殺すと。幼い頃から共にスラムで育ち、ウィルの才能を知っている親友としての彼なりの愛だった。投げ出したかに見えたセラピーだったが、ショーンのオフィスを訪れたウィル。中ではランボー教授とショーンが激しく言い争っている。

無理強いせずに、ウィルの意思を尊重したいショーン。類い稀なウィルの才能を無駄にしたくない教授。ウィルはドアの前でしばらく動けなくなったが、やがて我慢できなくなり部屋に入ると、ばつが悪そうに教授は部屋を出ていった。部屋に入るなりウィルは、ショーンが手に持っている書類は何かと聞く。それは判事が読み、ショーンの裁断を下す評価の書類だった。そこにはショーンの評価が書かれていて、ウィルが虐待を受けた時の詳細や傷を負った写真もあった。ショーンはウィルに語りかける。「ここにある過去の全てを気にするな。君は何も悪くない」と。

ウィルは自分が悪い子だから父親に殴られるのだとずっと思い込んで育った。そんな彼に纏わりついている呪いを解き放つ呪文のように、「君は悪くない」「君は悪くない」「君は悪くない」と何度も何度も語りかけた。ウィルの目から涙が溢れ出す。ショーンに抱きつき、小さな子供のように大声で泣き出した。「俺を許して」と。ウィルはようやく呪いから解き放たれたのだ。ウィルの最後のセラピーは終わった。就職が決まって新たな人生を送ることになったウィル。そしてショーンも新たな決意をする。今の仕事を辞めて旅に出るのだ。

しかし、自宅で旅の支度をしていると、1台の車が前で止まり、すぐに出ていった。不思議に思ったショーンが郵便受けを覗くと1枚の手紙が入っていた。それはウィルからの書き置きだった。手紙にはこう書かれていた。「就職を断ってごめん」そして裏には、以前ショーンが語ったセリフを引用し、スカイラーの元へ行く旨が書かれていたのだった。ショーンは「俺のセリフをパクりやがって」と嬉しそうな表情で家の中へ入っていった。ウィルは誕生日にチャッキー達からもらったオンボロ車でカリフォルニアへと旅立った。

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Melody of Movieの評価

90点

■各レビューサイト参考

映画.com:4.1

Yahoo!映画:4.27

Filmarks:4.1

みんなのシネマレビュー:3.58

※みんなのシネマレビューは10段階→5段階評価に換算しています

映画「グッド・ウィル・ハンティング / 旅立ち」の作品情報

  • 製作国 アメリカ合衆国
  • 配給 🇺🇸 ミラマックス / 🇯🇵 松竹富士
  • 監督 ガス・ヴァン・サント
  • 脚本 マット・デイモン / ベン・アフレック
  • 製作 ローレンス・ベンダー
  • 公開年 🇺🇸 1997125 🇯🇵 199837
  • 上映時間 127
  • 出演者
  • ウィル・ハンティング(マット・デイモン)
  • ショーン・マグワイア(ロビン・ウィリアムズ)
  • チャッキー・サリヴァン(ベン・アフレック)
  • ジェラルド・ランボー(ステラン・スカルスガルド)
  • スカイラー(ミニー・ドライヴァー)
  • モーガン・オマリー(ケイシー・アフレック)
  • ビリー・マクブライド(コール・ハウザー)
  • トム(ジョン・マイトン)
  • クラーク(スコット・ウィリアム・ウィンタース)

映画「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」の登場人物 / キャスト

  • ウィル・ハンティング / マット・デイモン

ボストンの下町、いわゆる『スラム街』で育ったウィルは、マサチューセッツ工科大学で清掃員のバイトをしている。親友のチャッキーらとつるみ、度々警察沙汰になるような事件を起こす問題児だが、実は天才的な頭脳を持ち、特に数学に関しては異様な才能を持っている。孤児で里親を渡り歩き、挙句に虐待されるなど心に大きな傷を受けたせいで、誰にも心を開かなくなってしまった。

  • ショーン・マグワイア / ロビン・ウィリアムズ

ランボー教授の大学時代のルームメイト。かつては名声を馳せたが、最愛の妻を亡くしたことで落魄し、現在はコミュニティ・カレッジの講師をしている。ランボー教授はウィルの

ために一流のセラピスト数名を紹介したが、誰も手に負えず投げ出してしまったので、

最終的にランボー教授に頼まれウィルのセラピー担当を受けることになった。

  • チャッキー・サリヴァン / ベン・アフレック

ウィルの親友。幼馴染で、共にスラム街で育った。自分達とは次元の違うウィルの才能を

無駄にさせまいと、時には厳しい言葉でウィルを支え導こうとする。

  • ジェラルド・ランボー / ステラン・スカルスガルド

マサチューセッツ工科大学の教授。フィールズ賞受賞の自信でさえ手こずる数学の難問を、

一瞬で解いてしまったウィルを探しだし、刑務所行き間近で拘置所にいたウィルの身元を

あずかった。条件は週1回のセラピーと、週2回、自身の研究所での勉強だった。しかし

問題児で頭脳明晰なウィルは一筋縄ではいかず、紹介したセラピストたちもあっさり撃退

されてしまう。藁にもすがる思いで、大学時代にルームメイトだったショーンに相談する。

  • スカイラー / ミニー・ドライヴァー

ハーバード大学の女学生。バーでウィルと知り合い恋に落ちる。頭が良いが、

決して堅物ではなく、チャッキーとジョークも言い合える気さくで明るい性格。

映画「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」の感想・レビュー

「君は悪くない」ショーンがウィルに何度も何度も語りかけるこのシーンは、何回観ても涙が溢れてくる名シーンだ。上記の結末の項目で、そのシーンをタイピングしているだけでも目頭が熱くなった。とにかく登場する人達一人一人のストーリー、心情が上手に表現されており物語全般に一切無駄がない。素行の悪い不良少年が更生していくだけの単純な話ではない。アカデミー賞での脚本賞受賞は当然だろう。今は亡きロビン・ウィリアムズの卓越した演技力もだが、チャッキー役のベン・アフレックの演技も最高だ。ラスト、チャッキーの夢が現実となった時の表情は本当に素晴らしい。そういったシーンだけでなく、心に染みるシーンが随所に散りばめてある。大きな山が目の前に立ち塞がり、前へ進めないでいる人達の背中をそっと押し、1歩踏み出す勇気を与えてくれる。そんな映画だと思う。

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